要注意!

物件の所在地

この認識がM&Kを知る手がかりである不動産にかかわるすべての事業を展開総合不動産業であるM&Kは、不動産の知識が豊富なのはあたり前だが、ヘッドリース事業から戸建て·分譲マンションの販売、建築請負、賃貸管理、さらに市街化調整区域を含む大規模開発業務まで、その業域は広範、多岐にわたるしたがって、「わが社には、セオリーはあるが、マニュアルはない」といういい方さまざまな事業を具体化できる技術、その能力が求められは、通り一遍の知識だけではなく、

ていることを示している。
「M&Kの社員として求められる資質·能力というのは、未知の分野に挑戦する情熱、逆境でもくじけない粘り強さ、困難を乗り越える不屈の闘志ということになります」クライアントである事業主は、ほとんどの場合、法人格である。相手は大手企業の社員、それも、役職クラスから上になるだろう。
こうした交渉ごとは、ほとんどビジネスライクにことが進められるだが、地権者である地主·土地オーナは個人が多い。
時として、先方は売りたくない土地を事業代行者であるM&Kは売ってほしいと頼むことにもなる。「どのような人でも、代々、並々ならぬものがありはす受け継いできた土地に対する愛着は、したがって、相手の立場からものごとを考えることができる常識は不可欠となります」ともすると売った、このようにはいっている。

買ったの話だけで終わってしまう不動産業とは一線を画すのである開発話を具体化するには、建物の設計、税金の知識、農地法、森林法、調整区域内での土地に関する知識経験のなかからそれらを学び、対応できる社員がそろっていることがM&Kの強さなのだ社業が順風満帆できたわけではない。10も二〇もの失敗がもちろん、一つの成功の陰には、あり、その苦い経験のなかから学んだ知識が生かされている。
不動産に関係するあらゆる分野の事業が展開できるのだ。そのため、次は、岩舘の話である「コントロールという上から目線ではなく、総合的にプロデュースできる能力、というのが一近いかもしれません。

提案力と具体化する想像力、バランスよく備わっていなければ番、れだけの少ない人数で、あれもこれも行うことはできません。各企業さん、得意分野をそれぞれ持っていて、どこにもエキスパートはいるものです。たとえば、都市計画に強い人や事業者をたくさん知っていて、人脈で引っ張ってこれる人。あるいは街づくり、その絵柄が描ける人……。いろいろいるわけですよ。しかし、その道の達人であっても、全方位、網羅的にできるのは、おそらくM&Kくらいと自負しています」ゆえんんしここが、ノウハウのノウハウたる所以である。
不動産に関し、すべての分野を真摯にこなしてきた。だからこその総合力なのだ。望遠鏡で遠くを見る。ごく身近な部分は、顕微鏡でチェックする。中距離は双眼鏡を使い、企業経営のノウハウとしてよくいわれることだ。これは、そのまほ視点·視座の話に置き換えられるそして、視点·視座というのは実は、企業理念や経営哲学に密接につながる話なのだ。中長期経営計画は、日々の経営の積み重ねに立脚する。
もっとも、このごくあたり前のことがうまく機能しないケースが多い。
とはいえ、先を急ぎすぎて拙速になってはいけない。いずれこのテーマはじっくり検証した三多摩地区で築いた企業の基盤土地·建物に関する総合プロデュース業これが、M&Kの実体である。同社の売り上げと内訳を記しておこう。以下、年商だけでなく、売り上げ構成比はかなり重要である。

1111一期平成二十三年七月期の売上高は約七七億円、(平成二十四年七月11四期は同八四·四億円となり、期)概略数字は次のようなものだカッコ内の数字は内訳の比率0開発部門--六二.三億円七四%

ヘッドリース!!一六.八億円110%0家賃収入-四.四億円(五%)業務管理--O.九億円(-%)実に開発部門だけで七四%を占めるが、小林が次のように話している。
住宅は男の甲斐性「開発部門が今後も当社の柱となることに変わりはありませんが、経営の安定面からいえば賃貸や収益物件の売上比率を上げていきたいですね」

収益のバランスからいえば、大きなお金の出し入れをする大金庫大規模土地開発を持ち日銭のやり取りをするための手提げ金庫ヘッドリースおよび雑収入を持っているのが、企業経営では安全となるその兼ね合いだが、金融機関からの評価が高く、要は、三多摩地区で築いた実績は、同社なら融資してもいいという銀行が多い。
同社が提案する事業に対し、将来性が見込金融機関は、確実性および市場性があると認めているのである。め、地主に対しては、十年先、二十年先の市場に照らし、継続性がある場合に限り収益可能、ヘッドリースの提案をしている。

また、その立地に合ったテナントを選択するうえで、当該企業事業主の成長性を具体的しんぴょうせいに把握しているため、提案力に信憑性が強い進出の意欲が強い企業であればいい、というわけではない。単なる進出企業ではなく、M&Kが重視するのは、運命共同体として将来を展望できるような企業でなければ採択しない。
地主や金融機関の安心感は強くなる。

石橋を叩いてわたる慎重さが、その分、M&Kの企業基盤の強さでもある不動産業のプロたち少数精鋭、三〇人程度の社員数で八0億円超を売り上げるのだから、しかし、実際これは、驚嘆すべきゼネコンで一人あたり年間1億円の売り上げが通り相場、しかもそれはことである。通常、優良企業のケースである。その点に比べても、一人あたり三億円弱の年商は、この企業の強さを示している。まことM&Kは”小さな大企業”である。小林はしかし、もうひと踏ん張りというのだ二人三億円をベースと考えていますから、本音をいえば、現体制で九○億円は確保したいところなのです。
ですから、雑収入の部分で、月二000万円を上積みしようと声かけをしてい年間二億四000万円のアップになりますが、いうはやすくで、これがなます。そうすれば、かなかむずかしいのですね(笑)不動産仲介、営繕、リフォームといった細かい仕事もたくさんある。それをていねいにすくい上げ、積み重ねていけば、年商がアップするのはわかっているのだが、何せ人手が足りない。
いまのプロジェクトチーム制を取るなら、組織として四○人、多くて五〇人体制というのが小林の見方である。
それ以上になると、トップの目が行き届かなくなり、全体的な組織統合がむずかしくなるからだ追い風が吹現状、地方自治体の企業誘致、過疎化対策などもあり、大規模開発については、いており、仕事は消化しきれないほど入ってくる。
家族のため

ともにまちづくりを

持家と借家はどちらが得か
順当にこなすには、早急に四○人体制をつくりたいと語る。ただし、自分が現役の間は、目最大で五0人体制とし、一五0億円企業が理想であるの届く範囲、一二0億M&Kは基本的には、少数精鋭主義だ。しかし、いうは簡単だが、腕の立つ人間をそろえるのは、そうそうできるものではない。
小林がミサワホームにいた時代から知っている、多摩中央ミサワホーム優秀だった社員と一緒にやっていることが、組織が円滑に動いている要因と分析する。「同じ釜のメシを食った仲間として、むかしから知っています。その能力、人柄を熟知しているわけです。
一緒にやりたいといってくれる人もいて、それがいい結果につながっているのです。意思の疎通がうまくいくのは、こうした人間関係にあると思いますね」小林がM&Kをつくってから知り合った取引関係、ゼネコン、金融機関の社員も多い。事業

を通し、理解が深まり、転籍してきた者もいるのだ。
よほどの人材教育が施されていると思ったが、会社としては、特に社員教育をしているわけではなく、朝の一時間のミーティングが功を奏しているという。毎朝、昨日の業務報告を全員が聞いて、自分の意見を発表する。また、二班に分け土曜日には業務研究会も開いている。
全員集合だったが、仕事が忙しくなり、以前は毎週、休養も必要なので、班を分けて隔週の週五日制を導入した。したがって、小林はほぼ毎週だが、社員たちは隔週の出席となっている。こうしたディスカッションの場を設けることにより、全員が全体の仕事を把握、各人それぞれで考え、お互いに意見を交わす。
情報を共有することにより、お客への発信力、発言力の向上につながっているのだ。

プロフェッショナル集団の存在価値は、全員がそれぞれ力量を持ち、持ち場を分担しながらゅうず同時に、互いに補完し合うところにある。極端に専門特化することなく、融通無碍に行動できる点も重要なのだ。いずれにせよ、精鋭をそろえることがポイントとなる。
「組織というのは、人が多ければいいというものではない」と語る小鮒が、以下、説明している。

「社長がリーダーシップを発揮することは、組織としては当然です。しかし、プロジェクトごとに、リーダーとなるべき人間が必要です。そのチームがうまい具合に関連し合うことで、全体の力が増幅されます。社員一人ひとりが、いかに経営的な視点を持つか、そのように育っていけば、その点で当社は、小さくとも最強軍団になれます。他社に負けないと自負しています」それぞれが自立した歯車として動くが、その歯車が互いに噛み合い、もっと大きな歯車を動かす。
このメカニズムが組織を活性化させるのだ。かつての大企業は、終身雇用があたり前で、年功序列型のヒエラルキーが存在していたがその悪弊が噴き出した。いったん不況になると、ほとんどがプロジェクトチーム制に移行しており、大きな組織もいま、精鋭主義に転換しているのだ時代の需要を的確に読み取る力むかしと違い、役所に行けば、随分サービスがよくなったと感じる人も多いはずだ。上から目線がなく、対応もていねいである。

地方分権から地方主権の流れのなかで、財源確保と雇用確保が急務と地方自治体はいま、なっており、支援策をさまざまに打ち出している企業誘致条例の創設などに、それは明らかだ。たとえば、固定資産税などの減税、土地や建物取得に対する助成金の交付など、企業の誘致に懸命である過疎化対策も急がねばならない。農業従事者の減少、後継者不足もあり、そのための雇用促進奨励金も設けている。

地方自治体が、上下水道加入金や受益者負担金などに対し、奨励金を準備するものだ事業者が増えると、その需要をまかなうために、新しく水道を引く人水源施設などの拡張整備をしなければならない。
中古住宅そのためには、多額の建設投資が必要となる。現在、水道を引いている人とこれから水道を引く人との負担の公平をはかるため、建設投資の一部をその利用割合に応じて負担してもらう。水道利用加入金制度を実施するのだが、これに対し、ある程度、優遇措置を取る。
窓口の一本化、ワンストップ体制の確立も、また、事業をスムーズに運ぶために重要である自治体は、企業誘致課などを設置し、庁内の各課協議の推進をはかり、交渉事がスムーズに進ちょく捗するように、利便性に注力している。進出を検討する企業が役所を訪れても、案件の担当部署がわからない。あっちへ行ってほしい、こっちで聞いて、とやっていたのでは、たいがい、企業側も腰折れが発生する。こうした時代の様変わりだろう。
点の改善も、一方、メーカーなど、事業者の視点から見ても世情が変わり、従来の製造業、いままでどおリとはいかなくなっている。
騒音、振動、照明、異臭などに対する風あたりは以前に増して厳しくなっている乗り入れトラックの台その対応策として事業者は、防音壁の設置、操業時間の短縮、また、さまざまな規制が強いられることになる。数制限など、

それだけコストアップが生じるため、”横持ち”解消など、効率化が求められており、具体的な方策も探らねばならない。

物流は最短の距離で搬送することが望ましいが、ピッキング作業、本来、物流加工や小分けおよび配送センターでの行先別集約作業などのため、離れた別の場所、施設などを経由し、配送が行われるのが一般的である。このような寄り道のプロセスを横持ちという。ハイスピード時代は、コスト圧縮のため、こうしたロスの解消が求められており、行政からの改良要請もあるわけだ。
また、従業員の就業環境整備も必要で、労働環境の改善、育児施設託児所、通勤のための駐車場の整備なども求められるヘッドリース部門でも、時代の変化、その要請にともない、これまでの高齢者施設のようにただ箱(上物)を設ければいい、というわけにはいかなくなっているスポーツジム、リハビリ施設付帯など、きめ細かい対応が求められている。

郊外の広い屋敷から

生産緑地制度

少子化時代の保育環境も同様だ。これが必要なのだ。つまり、時代の需要を的確に読み取る力、「各方面に対するプレゼンテーション、その内容·力量が問われる時代」とする、以下の常務取締役·の話には、その辺が織り込まれているものと解釈できる。「M&K創業のころは、戸建ての分譲販売、マンションの共同事業が主力業務だったわけです。サブリース事業の一方で、多摩地区の環境のよさに着目し、大手企業様の寮や社宅を提案し、柱に育てました。
しかし、バブル崩壊から徐々に企業の福利厚生費も縮小傾向にあり、返却すそのような背景はあったのですが、平成十二年に介護保険制度が導る企業も出てまいります。入されたことに着目し、企業が撤退するのであれば、建物をコンバージョンし介護施設に転換できないか、介護事業にトライできないか、との思いを現実にし、短期間のうちに七つの施設をオープンするに至りました。
時代で世の中が求めるものに対し、企業は時代、的確に反応対応していくことが重要なわけです。
この先も、それは必要だと思いますね」企業力とは、要は、変化対応能力ということなのだ新たな可能性を切り開く多様性は、「自分は、特に担当部署が決まっているわけではない。というより、全員がなんでもできないといけないのです、と笑う。当社の場合は……」無理もない、わずか三0人程度の人数で年商100億円規模を弾き出そうというのだから専門部署を特化できるはずがない。

もちろん、プロジェクトリーダーは設定しなければならないが、全員が経営視点を持つリーダー的意識を備えていなければ、こうはいかないだろう。(資質)したがって、的はずれかもしれないが、”なんでも屋”といういい方は多少、M&Kではオルマイティ、各人がなんでもできなければいけない。小さい組織が大に伍して戦うには、技術力とゼネラリストの視点をスペシャリストの腕兼ね備えなければならないのだ。
もっとも、それがプロフェッショナルというものであり、単なるエキスパートとは異なるのである会社経営には”自転車操業”という言葉がある。これは、かつかつの経営状態をなんとか切り抜けるため、資金繰りの綱渡り状態を指す。こぎつづけなければパタンと倒れるのだから文字どおり、自転車なのだ。しかし、このたとえを借りて述べれば、タンデム自転車というものがある。

この走行となる

と、内容は一変する0M&Aは、走行法としてはタンデム走法なのだタンデム自転車とは、知ってのとおり、複数のサドルとペダルを装備し、複数の人数が前後に並んで乗り、同時に駆動する自転車である通常は二人乗りだが、なかには10人乗りというものも存在する。
国土の均衡ある発展三人や四人乗り、多人数乗りの場合は当然、前輪から後輪はでが長く、その分、クランク数も増える。いずれにせよ、それぞれがペダルを踏むため、タンデム自転車は、一人乗りよりも強い力が出るのは必定。二人以上でペダルを回すことで合計の出力は倍化され、かつ後ろ側に乗車した人は、空気抵抗を受けにくいために、一人乗りの自転車よりも高速走行に有利となる。進む方向は一緒だが、決して倒れることはない。それぞれのクルーが、余力を持ってエネルギー補給することが可能である。
この場合のエネルギー補給は、経営資源と考えてもらえばいいだろう。出力として、一定の力を保てば、一人ひとりの能力を十分に発揮することが可能となるのだ。あるいは、一般的に見て、クラスターとはブドウの房のクラスター型の経営ともいえる。とだが、よく知られているのは、ブドウの房のように企業、機関、自治体などが地理的に集積し、ネットワークを構築、イノベーションの創出を指す形態だ。

いままでにない新しい組み合わせ、潮流となっているコラボレーショという意味では昨今、ンも同じ類だろう。新産業を生み出し、経済再生をはかるために、それぞれの企業、各種機関がネットワークを結び、プロジェクトチームを構築する。
それにより、新しいビジネスの芽を模索するものだ垂直型組織ブドウの房のように、従来のピラミッド型であるではなく、横のつながりを水平型組織重視したである。
この場合、重要なのは、いろいろな大きさの同心円が描かれそれが関連し合うことだ。M&Kの不動産事業がうまく回転しているのは、時代の需要を総合的にとらえ、その多様性を的確にとらえているからだ。新たな可能性を見落とさない。この点を小林が語る「ヘッドリース事業では、地主さまに迷惑をかけない。これがわが社の基本姿勢です。

それを実現するためには、世の中の流れをしっかりと観察することです。政府が進める補助事特に、業については、これを的確に事業に落とし込む。いま、日本が抱えている課題に果敢に挑戦しているわけです」社会が必要とする施設の建設に積極的に取り組む。この考えにのっとり、あるいは、これまでほとんど手つかずで放置されてきた、市街化調整区域の開発に各省庁、地方自治体、企業体と連携してあたっている培ったヘッドリースのノウハウ「当初、当社はマンションを一括売却する不動産会社でした。
当時はバブル期だったこともぁり、業績は上がりました。それはいいのですが、税務申告するとほとんど税金の支払いに持っていかれ、なんのための事業なのか。誰のためにやる仕事なのか。自分には、そんな感じがしたものです」小林は疑問を持つと同時に、バブルという時代に妙な違和感を感じた。二000万円、三。00万円の物件が一気に、五倍もの値をつける。

このまま続くはずはない、独特の嗅覚が働いたのだそこで、将来的にも安定した収入を確保するため、収益物件(きちんと収入の見込める物を所有して、賃料収入をはかろうと考えたのである件)

その用地確保とテナント先に選んだのが、大手企業の社員寮·社宅だった。
住宅品質確保促進法