土地は所有から活用へ

自宅を建築した場合。

木製のものもあれば、石やコンクリート製あるいは金属でできている場合もあるこうした境界標がない場合は、隣接するすべての家に立会いを依頼し、場合によっては専門家である土地家屋調査士のアドバイスなどを受けながら、境界確認の書面を作成することになただし、すべての隣家がすんなり応じてくれるとは限らない。る。境界の立会いを依頼しても、長男と長女の結婚だったため自分の実家と妻の実家両方の片づけの面倒を見なければならないことに飯島さんが売却しようとしたのは空き家となった妻の実家。飯島さんの義母が亡くなったの13年前。義父はそれよりもずっと前、70歳を前に他界している。最寄り駅から徒歩25分。築40年の古い家ということもあって評価は低く、相続税の節税で頭を悩ますこともなかった。
ところが、売却しようとしてはじめて、境界標がないことに気がついた「義母が亡くなってから確認したのですが、自治体の固定資産台帳にはきちんと登録されており毎年、固定資産税は支払っていました。法務局に登記もしていました。
ところが、売却するために妻の実家の土地を実測するため隣地との境界を確認することになったのですが、これがで

きなかったのです」登記がしてあっても、所有する土地については、自分のものであるという権利の範囲を明確にしておくことが不可欠。

マンション派それを示す標識が境界標である。その境界標を基準にひとつの土地ひっかいかくにんしよの面積を測るわけだが、それが確認できなければ、筆界確認書境界立会いを経て、(隣接し立会証明書た土地所有者間で境界を合意したことの確認書)やといった書類を作成するとになるそのころまでずっと借家住まいでしたから、隣接地との境界を示す境界標の存在すら知りませそれがはっきりしないと境界線がずれたりして隣の家などとトラブルになるんですんでした。
東京の丸の内や銀座なら数㎝ずれるだけで、所有する土地の価格が億単位で違ってくることもあるだろうが、飯島さんの妻の実家は坪10万円を切るような地価のところ、「それでも大変なと飯島さんは言う。思いをしました」飯島さんは、大学卒業と同時に入社した企業の子会社の社長だ。年俸は1000万円を超すので、経済的には恵まれているほうだろう。

地域住宅政策交付金

だが、飯島さんは、つい最近まであえて借家暮らしを選んでいた飯島さんの出身地は北陸。奥さんは関東出身。ひとりっ子で育った奥さんの実家は、借家からは車で30分の距離にあった。経済的にマイホームを持とうと思えば持てた飯島さんが、借家住まいを選んだ本音を明かしてくれた私の代わりに実家を継いでくれるはずだった弟が、私が結婚した翌年に交通事故で亡くなって実家はおやじとおふくろのふたりだけ。妻の実家もいまはふたりとしまいました。それ以来、も亡くなりましたが、義父母だけの生活でした。
おのずと、将来は2軒の家をなんとかしなければならないだろうと考えるようになり、自宅を持つことをためらったのです新居を購入した建設会社に妻の実家の売却についても相談妻の実家が空き家になったことで、飯島さんは当初、そこに夫妻で移り住むことも考えたという。しかし、現実には移住は難しかった。やはり、建て替えも必要でした。通勤の便を考えると遠すぎます。
それに古い家で、あれこれ考えて、この機会に私も家を持っていいかなと。そこで、沿線では最も人口が多いとされる駅に狙いを定め物件を探し始め、妻の実家は処分することにしました飯島さんのマイホームは、駅から徒歩5分。それでいて大通りをひとつ入ったところに位置していることで閑静な住宅街になっている。
その角地にある120mの土地に、新築の2階建て住宅が建つ。建売物件だが、間取りを変更したことで、購入価格は5000万円を超えた現金での購入だ1階には寝室がない。キッチンと広いリビング。その一角に飯島さんこだわりの机と書棚を設置。飯島さん専用の書斎である。2階は寝室が4部屋。風呂とトイレは1階と2階の両方に設置。2階ベランダには、喫煙用のスペースも設けている。妻の実家の売却も相談した。

要注意!飯島さんは、その住宅を購入した建設会社に、グループに工務店や不動産会社を抱え、信頼できると紹介された会社である。ただし、すでにふれたように、境界の確定に手間取ったこともあり、売却までにはかなりの時間と労力を要した。飯島さんの妻の実家の売却が決まったのは、飯島さんが新居に入居してからおよそ1年後のことだった。妻の実家は売却して片づけも終わった自分の実家の片づけは当分の間手つかずのままに「空き家の片づけは、すべて建設会社を通じて専門業者に依頼しました。
家財を処分する費用はいったん自分のポケットマネーから出しました。売却金額は処分費用を払ったら赤字というほどではなかったですが、安すぎてお話しできるレベルではありません」売却価格が安かったのは、古い家屋をそのままにしたことも影響したのだろう。

義父母の家の後始末は終えたが、実の父母が暮らす北陸地方にある家屋につい飯島さんは、ては、当分の間、手をつける気持ちはない。

制約はあるが行いたい

「65歳くらいでリタイアし、年の半分はこちらで暮らす。とくに冬は、屋根の雪下ろしのために正月以外にも帰ってくるよ、といったことを話しました。父母はそれで納得してくれたかどうかはわかりませんがね。おやじやおふくろが口にする『無理して帰ってこなくてもいいよ。な『もうそろそろ、あー、心配いらないさ』といった言葉を思い出し、胸に刺さります。
こっちに帰ってこないか』と直接言われるより、こたえますね……」

不動産会社のアドバイスで逆転の発想、

土地ではなく家を売ろう
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が1520年以上なら豪とされるのが一般的だ父母が亡くなり空き家となった実家の相続売却を見据えて三姉妹の長女である河野さん名義に姉妹はいずれも結婚していて、子どもをもうけている。実家は北関東の河野さんは三姉妹。車で少し走れば田園風景が広がるが、新幹線の停車駅から在来線で3駅ほど。地方では開けているほうで、近くにはショッピングモールなど商業施設も集積している。5年前のことである。
その後、河野さんの父親は、70歳を前に他界。ひとり暮らしをしていた母親も70歳をわずかに超えた3年前に亡くなった。
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