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何にもできないくせに

吉永小百合主演の映画キューポラのある街山崎さん兄妹は、で知られる埼玉県川口市に隣接する街で育った。京浜東北線の最寄り駅からはタクシーでワンメーターの距離である「私が育ったころは、最寄り駅周辺は飲食店などが多く、お世辞にも雰囲気がいいとは言えませんでした。酔客を誘う黒服の男性が何人もいて、帰宅が遅くなっ派手なネオンの店の前には、たりすると、ドキドキしながら早足で家路についたことを覚えています」山崎さんが育った実家は、およそ200mの敷地に建つ木造平屋建ての住宅。広い庭で遊び回ったという。
隣接する家はお屋敷然とした大邸宅だ。父親の死後は母親がひとり暮らしをしていた。だが、母親も亡くなったことで、借地に建っ実家の処理を迫られることになる。空き家となってしまう親の家たたむか、残すかで意見が分かれる生まれ育った家の土地が、隣に住む大邸宅の持ち主から借りている借地だったと知ったのは父親の死後だったという。

要注意!借地に建つ山崎さんの実家は、建ぺい率60%、容積率200%の地区にある。敷地はおよそ200㎡。都市部にしては広い借地だが、50年ほど前の契約であり借地料は月に5万円程度だったそうだ。山崎さんは借地を地主に返し家を処分しようと考えたのに対し、兄はそのまま継続することを主張した。
横浜に落ち着いている山崎さんは、埼玉の家を掃除に行ったりする面倒などを考え、すっきリと始末したほうがいいという主張、都内のマンションで2人の子どもと一緒に住み、会社員定年も近く、東京と埼玉の二重生活もいとわないと考えていたようだ。
をしている兄は、「仕事を辞めたらマンションは子どもたちに使わせ、僕は実家に戻り、ひとりで暮らしてもいい」と口にしたともいうお兄さんがひとりで住むといっても、ゴミ出しや食事はどうするの。子どもたちからは『私と弟で食事も作れば洗濯もする。ゴミ出しひとつできない父ですから』とも聞いたわよ。誰が面倒見てくれるの「俺も仕事をリタイアしたら、自分の身の回りのことぐらい自分でするよ」こんなやりとりもあったという。
しかし、空き家となった親の家に住み続ける意向を兄が持っていたことが功を奏することになる

借地権も相続できる!権利を地主以外に売却することも可能「実は私自身は借地権のことなんて何も知らず、誰も住んでいないのに月に5万円も払うなんてばかばかしいので、借地契約などさっさと解除してしまおうと考えていました。

現在は0歳であっても

兄も最初は借地権のことなど知らなかったでしょうから、兄が私と同じ意見だったら、1円も手にせず契約を解除して終わりだったかもしれませんね」借地に建つ家をそのまま自分の家として残すにあたって、問題がないかど山崎さんの兄は、うかを調べたのだという。「そもそも借地に建っている家は、土地は借地でも家は自分たちのものなんだからいったいどうなるのかとか、借地権を解除する場合に家はどうなるのかとか、考えてみれば不明なことばかリですよね。
私は土地を貸してくれているお隣の地主さんがとくに何も言ってこないので、あまり考えていませんでしたが、引き続きこの家に住もうと考えていた兄はいろいろ気になって調べたようです」借地をめぐっては、相続問題になるケースも少なくない。山崎さんのように土地を借りている側の相続もあれば、土地を貸している側の相続の問題もある。
複雑化するのは、むしろ貸している側の相続で、借地人から権利を買い戻す資土地を処分して遺産分割したいケースでは、金が必要になるし、そもそも借地人がOKしないことには土地を処分することができないなど問題が多いいずれにせよ借地権や借家権は相続できる。
中古住宅借地権は売買が可能で、また、地価の高い地域では高額で取り引きされている。このことを山崎さんが兄から聞いたのは、兄が突然、売却しと言い出したときだ。よう山崎さんの兄が借地の継続から売却へ考えを変えたのは、子どもの英国留学希望を聞いたことによる。英国の大学へ留学ともなれば、少なくとも年間400万円は必要になる。2年間としても旅費なども含めれば、1000万円に近い金額だ。
山崎さんの兄は、父母の家の借地権を売却して、その資金の一部にしようと思い直したのだろう。借地権の売却価格のルール一般的な土地売買よりも借地の売却価格は割り引かれる「突然、売ろうと言い出したので驚きましたが、兄は決めたら行動は早かったです。
自分の土地の場合でもそうなのでしょうが、借地の場合は地主さんとの関係もあってさらに複雑になるようで、すべて兄にまかせることにしました」山崎さんの兄は、最初に地主を訪れ借地の買い戻しを打診した。
しかし、地主は「買い取るという返事だった。資金も意思もない」そこで不動産関連会社に勤める知人を訪ね、適当な業者を紹介してくれるように依頼。分譲住宅の販売をしている工務店を紹介してもらったという。

いやすぐに片づけましょう

住宅街にあって立地が比較的よかったことで、工務店も借地権つきの土地の購入に前向きなってくれたそうです。ただし、地主さんは2棟の分譲物件にするという点に難色を示しました。しかし、自分で買い戻す気はなかったのですから認めてもらいました山崎さんの借地売却はこれで終了。埼玉県でも東京に隣接する地域だったことが幸いしたこのエリアの不動産は買い手が多い。工務店のほうでは土地つき分譲住宅しかし、で売り出すか、借地権つき分譲住宅かでは売値が違う。
高い価格をつけられる土地つき分譲住宅で売り出したかったのだろできれば、う。その後も土地の買収交渉を地主と続けていたようだ借地というのは、底地という、地主の持ついわば所有権のようなものの上に、使用権としての借地が乗っている2階建て構造だ。底地はあくまでも所有者である地主のものである。
そこで工務店としては、2階部分である借地とともに1階の底地を買収し、一般的な土地売買のできる状態にしたかったのだ。
不公平だ!工務店の交渉はうまくいったらしく、山崎さんの生家のあった土地には、2軒の土地つき分譲住宅が売り出され、いまではそこに新しい家族が住んでいる。

借地を売却するとなってから兄にせっつかれながら親の家を片づけついこの間まで家はこのまま残すと言っていたのに、「兄は現金なもので、売却を決めたとたん早く片づけろ』と私をせかしました。あんなに心変わりが早いの『実家に残してあるものは、かと、あきれたものです」解体廃材と一緒に処分してもらえる家は工務店の手配で解体することに決まっていたので、ものには手をつけずにすんだという。

残したままでよかったので助かりました。「もう使わないタンスやテーブルなどは冷蔵庫やエ兄がリサイクル業者のところに持っていったりしていました。アコンなどの大型の家電品は、兄は父が愛用していたカメラや釣竿、私は母の着物を私はもっぱら形見の品の整理でしたね。もらいました」週末に横浜から埼玉まで通った。

家の片づけのために約1か月間、私は学生時代に卓球をやっていたので、「子どものころの写真や賞状、そのころ使っていたラあらためて自分はここで育ったんだなとしみじケットやユニフォームなどを整理していると、でもいつまでも思い出に浸っていると片づかないし、期限を決めて、残ったもみ思いました。